こちらのご本を読んでみようと思っております。下に「私評」があります。


【現代アジアにおける華僑・華人ネットワークの新展開】

http://www.fukyo.co.jp/smp/book/b166325.html
(転載開始)

2014-08-24-08-21-05


内容説明
激変するアジアの地政学的構図の中で、華僑・華人の立場も大きく変貌している。本書は、各地で築かれてきた彼らのアソシエーションの新設、再編、グローバル化といった新たな展開を分析。それら新潮流を促したネットワークの現在に迫る。

清水 純編
http://www.fukyo.co.jp/smp/author/a44917.html

潘 宏立編
http://www.fukyo.co.jp/smp/author/a44756.html

庄 国土編
http://www.fukyo.co.jp/smp/author/a75184.html


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■はじめにより

経済の国際化とグローバル化が進んだ今日の世界のなかで、華僑・華人が展開するネットワークを通じた活動は、それぞれの居住国の経済発展とともに新たな展開をみせるようになった。居住国内で、あるいは国境を越えて、中国系の住民同士が連係関係を作り出す特有のネットワーク組織の存在は歴史的にも知られてきたところであり、その機能も注目されてきた。

中国大陸の故郷とのつながりや、血縁のつながり、宗教など多様な関係性を利用した連係と相互扶助は、かつては華僑・華人の移住先での生活にとって重要な意味を持っていたが、これに加えて近年では、現地化した華人たちや新来の華僑たちの経済活動が活発化するとともに、これらの組織が居住国の社会や経済にも大きな影響を与えるようになってきたのである。

本書は、華僑・華人が集中的に分布する東アジア・東南アジア社会において、彼らのネットワークの新たな展開を主題とするものである。

この地域は、近年急速な経済発展を遂げ、居住国の国籍を取得した華人たちも現地社会における一定の位置づけを獲得して、活動領域を広げつつある。一方、中国の政治経済政策の変化により、改革開放以後の中国からアジアへの新たな移民の流出が顕著に見られるようになって、この地域の新華僑の人口は増加の一途をたどっている。

このような新しい局面を迎えて、華僑・華人のネットワークも活性化する傾向にある。本書に収められた各論考では、まず華僑・華人固有のネットワークを通じた連係関係の本質について振り返り、それが東アジア・東南アジア各地の社会における歴史的経緯のもとでどのように活性化するに至ったか、華僑・華人はどのようにネットワークを利用し経済活動につなげているか、またはつなげようとしているかという現状を把握しようとしている。

華僑・華人の居住国における位置づけは、それぞれの国での中国系移民の歴史や、国内・国際情勢の影響などにより異なるものであり、それらの事情も含めて、本書に収められた論考の多くは二〇世紀後半の政治経済の流れを跡付けつつ、とりわけ一九七〇年代・八〇年代における変化の諸要因をふまえ、今日に至るアジア各地での華僑・華人ネットワークの新たな局面の展開へと目を向けている。
 
日本ではこれまでの華僑のネットワーク研究は、どちらかというと歴史的な関心が高く、同時代の状況はこれまであまり分析の対象にされてこなかった。しかしグローバル化が進み、国境を越えた経済活動が緊密さとスピード感を増している現状では、日本を含むアジア社会において華僑・華人のネットワークが果たす役割は次第に大きなものになり、アジア各地における日本人の経済活動に際しても、華僑・華人との連携や協調関係は重要性を増している。

経済活動に欠かせないパートナーであり隣人でもある中国系の人々について知ることは、さらなるアジア理解と相互関係の深化をもたらすものである。華僑・華人のビジネス・ネットワークについて、現代アジアの経済発展とともに活性化している最新の状況を概観したいと考えたのが、この研究を始めるそもそものきっかけであった。
 
本書に収められた論文はさまざまな専門分野からの研究であり、アプローチの仕方はそれぞれ異なっている。このような多様な視点からの分析という編集方針は本書における一つの試みでもあるが、こうした多角的なアプローチによって、研究対象となる華僑・華人のネットワーク組織を、より一層動きと立体感のあるものとして提示することができると編者たちは考えている。

華僑・華人研究が学際的な研究に対してつねに開かれた性質を持つことから見ても、このような試みはそれなりの意義をもつであろう。
 
本書の編集にあたっては、個別には華僑・華人のビジネス・ネットワーク構築の過程や、グローバル化する社団の機能に関心を寄せながら、全体としては、現代アジアに展開される華僑・華人ネットワークに関わる基本的な知識を確認し、幅広く各方面から現状を把握することをめざしている。

本書が出発点となって、現在進行形としての華僑・華人ネットワークにさらに多くの関心が集まり、各分野における研究が進展していくことに期待する次第である。
 
本書の構成は第一部と第二部に分かれている。第一部は、主として日本大学のプロジェクトと平和中島財団プロジェクトの共同研究者による成果論文から構成され、東アジアおよび東南アジア地域を対象として、ネットワーク形成の歴史的経緯、ネットワークを利用する華僑・華人の意識、ネットワークの経済的効用、中国との関係をめぐる華僑・華人の最近の動向と社団の再編成などを、それぞれ歴史、経済、政治、社会、文化などの側面から考察している。

また、第二部は庄教授の率いる南洋研究院出身の若手研究者チームによる報告から構成され、東南アジア華僑・華人の社団の新設と再編成の現状分析に焦点があてられている。これらの論文では、社団の刊行物や新聞・雑誌・インターネット等を情報源として活用し、社団に関するデータ、特に現存の社団の種類と名称及びその活動内容や、社団相互の交流や連係関係に関する資料が丹念に集められている。

インターネットによる情報通信技術の発達は、華僑・華人のグローバルな連係や情報交換をさらに加速させる要因となり、各社団のホームページにはそうした連係や情報交換の様子が数多く紹介されている。インターネットを通じた資料の収集もこれからは重要な調査手段となることを、本書に収められた諸論文が示していると言えよう。


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■編者紹介

清水純
日本大学経済学部 教授(編集責任者)。1956年生まれ。東京大学社会学研究科博士課程修了、学術博士。文化人類学、中国・台湾研究。

潘宏立
京都文教大学人間学部 教授(共同編集者)。1960年生まれ。総合研究大学院大学博士課程修了、文学博士。文化人類学、中国研究。

庄国土
華僑大学講座教授・厦門大学南洋研究院 教授・院長(共同編集者)。1952年生まれ。厦門大学大学院修了、歴史学博士。国際政治学、歴史学、華僑・華人研究。

■執筆者紹介

蔡志祥
香港中文大学歴史学部 教授。1955年生まれ。東京大学大学院文学研究科博士課程修了、文学博士。中国史研究、華僑・華人研究。

曽根康雄
日本大学経済学部 教授。1961年生まれ。北九州市立大学大学院博士課程修了、学術博士。経済学、国際政治学、現代中国・香港研究。

崔 晨
拓殖大学海外事情研究所華僑研究センター 客員研究員。1964年生まれ。拓殖大学大学院商学研究科博士課程修了、商学博士。国際経営学、中国経済研究、華僑華人経済研究。

城田千枝子
関西学院大学 非常勤講師。1970年生まれ。関西学院大学大学院博士課程修了、社会学博士。日本の華僑・華人社会研究。

李鎭榮
名桜大学国際学群 教授。1957年生まれ。東京大学大学院博士課程満期退学、文学修士。文化人類学。中華の周辺社会の社会構造研究、韓国華僑の研究。

諏訪一幸
静岡県立大学国際関係学部 教授・大学院国際関係学研究科 教授。1958年生まれ。日本大学総合社会情報研究科博士前期課程修了、国際情報学修士。現代中国研究。

廖大珂
厦門大学南洋研究院 教授。1957年生まれ。厦門大学大学院博士課程修了、歴史学博士。歴史学、中外関係史。

陳 君
厦門大学南洋研究院 研究助理。1979年生まれ。厦門大学大学院修士課程修了、歴史学修士。フィリピン華人研究。

劉文正
華僑大学華僑華人研究院 助理研究員。1980年生まれ。厦門大学大学院修了、政治学博士。シンガポール華人研究。

潘少紅
厦門市華僑博物院研究部 副研究員。1976年生まれ、厦門大学大学院修了、歴史学博士。タイ華人研究。

丁麗興
福建省檔案(公文書)館 主任所員。1982年生まれ。厦門大学大学院修了、歴史学博士。インドネシア華人研究。

鄭達
厦門市政協研究室情報局 主任所員。1982年生まれ。厦門大学大学院修了、政治学博士。マレーシア華人研究。

陳丙先
広西民族大学東盟(ASEAN)学院 講師。1976年生まれ。厦門大学大学院修了、歴史学博士。ミャンマー華人研究。

林聯華
福建省泉州市公務員局 主任所員。1984年生まれ。厦門大学大学院修了、歴史学博士。華人研究。

梁炳猛
広西民族大学東盟(ASEAN)学院 教授。1966年生まれ。厦門大学大学院修了、歴史学博士。華人研究。

■翻訳者紹介

玉置充子 
拓殖大学海外事情研究所華僑研究センター 客員研究員
林松涛 拓殖大学 非常勤講師
石村明子 中国語通訳・翻訳者
奈倉京子 静岡県立大学国際関係学部 講師
高天亮 厦門大学嘉庚学院日本語学部 准教授
殷 娟 厦門大学嘉庚学院日本語学部 講師
王艶梅 厦門大学嘉庚学院日本語学部 講師



はじめに (清水 純)

●第一部 グローバル化する華僑・華人ネットワークと華商ビジネス──その歴史的背景と現在

アジア東部の初期華人社団形成における主要な紐帯(庄 国 土〈石村明子訳〉)
一 はじめに
二 地縁──華人社団の主要な紐帯
三 神縁──初期華人社団の誕生を促した重要な要因
四 秘密結社──初期華人社団の主な形式
五 中華ナショナリズム──華人社団を大規模に発展させる原動力
六 結び


家郷連係とビジネス・ネットワーク──清末民初における潮汕商人と故郷の相互関係(蔡 志 祥〈林松涛訳〉)
一 序論
二 宗族と地方
三 現地社会への貢献
四 商人の家郷連係の解釈


中国の華僑政策──一九五〇年代の試行と教訓(曽根 康雄)
一 はじめに
二 中華人民共和国建国当初の政治経済状況
三 一九五〇年代前半の華僑政策
四 華僑政策の修正と転換
五 一九五〇年代の華僑政策の教訓
六 おわりに


香港・台湾・東南アジア華人資本による中国への投資(崔 晨)
一 はじめに
二 中国経済発展と香港・台湾及び東南アジア華人資本とのかかわり
三 香港 華人企業の中国大陸投資への窓口
四 中国投資における華商ネットワークの活用
五 中国企業の海外進出における華商ネットワークへの参入
六 おわりに


台湾と東南アジアを結ぶ華僑・華人の社団組織(清水 純)
一 序論
二 台湾における東南アジア帰僑
三 東南アジア各国の留台同窓会
四 東南アジアの台商会
五 社団の変化とその背景
六 結び


日本における新たな華僑組織と華僑(城田 千枝子)
一 序論
二 日本における新たな華僑組織
三 今日の在日華僑と華僑組織、ビジネス・ネットワーク、アイデンティティ──個人事例から
四 おわりに


華僑の「クヮンシ」と社団の再生過程──同窓会ネットワークを中心に(李 鎭 榮)
一 序論
二 本論
三 結論──一元論を超えて


インドシナ三国における華僑・華人社会の現状(諏訪 一幸)
一 はじめに
二 改革開放期の華僑・華人政策
三 中国系の人々と商会
四 華人学校における中国語教育の現場
五 おわりに


マレーシアにおける中国新移民(廖 大 珂〈奈倉京子訳〉)
一 はじめに
二 マレーシアを訪れる中国人に対する政策
三 外国人に発給するビザの種類
四 マレーシアにおける中国人労働者
五 マレーシアに不法滞在する中国女性
六 マレーシアにおける中国人留学生
七 婚姻や投資によって移民する中国人


●第二部 東南アジアにおける社団ネットワークの新たな動向

中比国交樹立後のフィリピン華人社団の新たな変化および原籍地との関係──晋江籍社団を例として(庄国土・陳 君〈玉置充子・石村明子訳〉)
一 はじめに
二 晋江籍フィリピン華人社団の一般的状況と特徴
三 晋江籍フィリピン華人社団の発展と変化
四 一九七〇〜九〇年代における晋江籍フィリピン華人社団と原籍地との関係
五 二一世紀──フィリピン華人社団と中比関係への新たな貢献
六 結語


シンガポールにおける中国新移民社団試論(劉 文 正〈林松涛訳〉)
一 シンガポールにおける中国新移民社団成立の背景
二 中国新移民社団の設立と発展
三 中国新移民社団の趣旨、組織構成および財源
四 中国新移民社団の社会的機能
五 新移民社団と伝統華人社団の相違と連係
六 結び


一九八〇年代以降のタイ華人社団の新発展(潘 少 紅〈王艶梅訳〉)
一 はじめに
二 過去三〇年のタイ華人社団の発展
三 過去三〇年のタイ華人社団の変化
四 おわりに──社会変遷とタイ華人社団の発展との相互作用


ポスト・スハルト時代におけるインドネシア華人社団の新たな発展(丁 麗 興〈玉置充子訳〉)
一 はじめに
二 一九九八年以前のインドネシア華人社団の歴史的変遷
三 一九九八年以降のインドネシア華人社団の発展における新たな特徴
四 新たな華人社団の機能の変化
五 インドネシア華人社団の主な課題
六 インドネシア華人社団の発展の趨勢


一九八〇年代以降のマレーシア華人社団の新たな発展(鄭 達〈玉置充子訳〉)
一 マレーシア華人社団の概要
二 マレーシア華人社団の新たな発展
三 社団の発展における業縁社団
四 中国とマレーシアとの関係における業縁社団の地位と役割
五 社団の発展における問題点


一九七〇年代中期以降のビルマ(ミャンマー)華人社団の発展と変化(陳 丙 先〈玉置充子訳〉)
一 はじめに
二 ビルマにおける華人政策の調整
三 華人社団の数の変化
四 華人社団の機能の変化
五 ミャンマー華人社団の構造変化
六 ミャンマー華人社団の発展の見通し
七 まとめ


一九八〇年代以降の東南アジアにおける泉州籍地縁型社団の変遷(林 聯 華〈殷娟訳〉)
一 はじめに
二 東南アジアにおける泉州籍同郷社団の現況
三 東南アジアにおける泉州籍同郷社団の発展と変化
四 東南アジア泉州籍同郷社団と原籍地との関係
五 おわりに


一九八〇年代以降の広西籍の華人社団(梁 炳 猛〈高天亮訳〉)
一 はじめに
二 主な広西籍華僑・華人社団の分布とその特徴
三 広西同郷社団発展の歴史的段階
四 広西同郷社団の主な機能
五 広西同郷社団による祖国と広西への貢献
六 結び

(転載了)



〜私評を〜

華僑や華人という名称やその存在。その意味を知らない日本人は今世代においてほとんどだと思います。

中国は世界地図から見てのとおり大陸にあります。陸続きのため侵略と戦争の歴史が繰り返されてきました。もともと中国人つまり「漢民族」とは「農耕社会」であり、農耕民族の性質が根本に存在します。性格は大人しく、住む地域に土着に畑を耕し、村社会を形成する風習がそもそもあります。それは日本にも同じことが言えます。

その「農耕民族」がなぜ住むところを追われ離れなければならないのかは、さきに記したように「大陸続き」だからです。実質漢民族が中国大陸を支配したのは二つの時代しかないと言われております。漢朝と明朝です。それ以外は被支配の歴史。

最初とされる「殷」は北方と西方から「秦」は西方民族など。この被支配の歴史が民衆同士の絆を強くしていき、やがてその後の「幇(ばん)」という民衆組織化が生まれてきます。

つまり、「幇」は歴史から見て必然性があった訳であります。「幇」と言いますとおもに暗黒面が取り立たされますが、たしかに一部は悪行を働きます。ただそれは一部分のみ。全体を見渡すことができるのなら、おのずとこれは「共済会」と分かってきます。


遡ること約二千年前。中国人(大陸人)の下南洋(東南アジアへ下る)が始まり、進出した地域と融和していきます。農業のほかにも貿易や商業に長けていることもあり、当時は文化も進んでいた為いつしか流通の要(かなめ)的な存在に変わっていきます。

こうしてアジアも栄えてきて、大陸とほかの地域と行き来している人を「華僑」、その地域に住み着いた人を「華人」と言うようになりました。この華僑と華人はおもに「客家(はっか)人」が多いです。さまざまな文献の中に、この客家人はユダヤの血を引く者たちという説もあります。


アジアは栄えたがしかし、近代。
西洋から大きな帆船と強力な武器を持った西洋人がやってきます。大航海時代の到来なら聞こえは良いが、その本質は植民地化の到来。大柄な彼らと華僑華人、そして現地の人々と当初はうまく貿易などで共存共栄を計れると思っていましたが、その貿易を西洋人に奪われます。巧妙な画策によっていつしか各地域で「打漢人」に変わります。華僑や華人の永い年月を費やし、築きあげたものが一瞬にして奪われました。

話は近代史になり、ほかの文献が多数あるためここでは割愛させていただきます。ですが、悪いイメージを連想させる論評もあります。たしかに華僑や華人の一部に悪さをする連中がいますが、総体的な見方をするとそれは住む地域を追われ新たな新天地を求める流浪の民であり、共存共栄の信念のもと彼らは旅をするのです。


いま、中国(中華人民共和国)共産党(中共)の一党支配はもはや限界値近くまで来ていることでしょう。私たち日本人は心の何処かでどうしても中国人というカテゴリーで華僑や華人を中共と同等に考えてしまう思考があるのではないか?複雑な理解を要する漢民族ですが、この両者は「別物」と考えたときに始めて中華思想が見えてくると思っております。


中共を解体するにはもしかして一旦中国自身の「解体」が必要なのかもしれません。

近い未来、アジアの隣人がいつまでも仲たがいせず、ともにアジアの発展に協力し合える良きパートナーになる日が来ることを期待しています。




【現代アジアにおける華僑・華人ネットワークの新展開】



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