NewsPicks 2015年、ビッグワード10
2015年01月07日(水)
現代ビジネスより
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41672

(文転載)
科学や産業の世界では、日々新たなイノベーションが生まれている。これから、どのようなパラダイムシフトが起きるのか。2015年、この10の言葉を頻繁に耳にすることになるだろう。


1.LOON計画 
Project Loon

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グーグルの先端技術研究所、グーグルXから生まれた実験的プロジェクト。成層圏に打ち上げた気球を通じて、地上からネットワークを取得。通信環境が貧しい地域でも地中に固定回線を引く必要がなく、大規模な地域で安価なネット接続を可能にすることから注目されている。すでにニュージーランドで実験が開始され、地上から気球を操縦することも成功している。

さらに、気球の代替としてドローンによる打ち上げも検討されている。すでにグーグルがドローンの新興企業であるタイタンエアロスペースを、フェイスブックが同じく英アセンタを相次いで買収。2015年にかけて、空を巡る戦いをどちらが制するのか、注目だ。


2.人工海上国家 
Seasteading

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ピーター・ティールがもくろむ一大プロジェクト。その中身は、海の上に人工の主権を持つ独立国家を作ろうというものだ。この背景には、ティールの思想の骨格をなすリバタリアニズム(自由至上主義)がある。理想を実現すべく、彼はミルトン・フリードマンの孫とタッグを組み、計画を進めている。ティールはこのプロジェクトに125万ドルを投資しており、2050年までに数千万人が居住する主権国家とすることを目標に掲げている。


3.窒化ガリウム 
Gallium nitride

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その名前自体よりも、今年のノーベル物理学賞の授賞で話題になった青色LEDの材料となる半導体と言えばイメージが湧きやすいだろう。今後の電子デバイスへの応用が期待される。


4.テック・スローダウン
Tech Slowdown


近年の情報技術は、本質的に雇用や生産性を向上させていないとするピーター・ティールの造語。この状況を打破するには、「強い個の出現しかない」と、技術の力を信奉する自由至上主義者の彼は主張する。


5.長期停滞論 
Secular Stagnation


先進国の経済が、投資機会の減少や労働力人口の減少などにより、長期的な停滞に突入したとする論。経済学者のローレンス・サマーズが提示したのが始まり。日本の「失われた20年」とも関連がある議論。


6.スマートクリエイティブ 
Smart Creative


グーグルのエリック・シュミット会長が示す、21世紀に活躍する人材像。テクノロジーの知識、ビジネス能力、創造力を併せ持ち、世の中に大きなインパクトを与えるプロダクトを、迅速に生み出せる人材。


7.アクハイヤー 
Acqui-hire


買収(アクイジション)と採用(ハイヤリング)を掛け合わせた造語。人材獲得を目的とする買収のこと。製品よりも企業の経営陣や人材を目的に買収することを指す。近年は日本でも増えてきている。


8.シンギュラリティ 
Singularity


機械が人間の知能を超え、未来を作るようになる技術的な境目=特異点のこと。発明家にして未来学者のレイ・カーツワイルを中心に、2045年頃にシンギュラリティが訪れるのではないかと叫ばれている。


9.火星移住化計画
Colonization of Mars

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2026年に火星に人類を送り込み、地球と同等の文明を築こうとする計画。すでに、オランダの「マーズワン」財団が「火星人」になるための募集を開始。ただし、その条件は地球に戻ることができない「片道切符」ということだ。にもかかわらず、140ヵ国から20万人の応募が殺到。今後、候補者は24~40人に絞られる予定だ。その後、2016年の居住ユニットなどの必要物資の運搬を皮切りに、2023年には第一陣が火星の地を踏むことになる。


10.海流発電
Marine current power

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再生可能エネルギーの一つで、海流の力を利用して海中に設置したタービンを回す発電方法のこと。流れが速く、量的にも豊富であることが必須で、その条件を満たすのは日本列島の太平洋岸と米フロリダ半島沖のみだ。


(転載終了)