『3年でクビ!? 正社員ゼロ!? 労働者派遣法の“大改悪”に反対します』
非正規労働者の権利実現全国会議

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2014-03-31-08-55-30


日本を「“短期的に”世界で一番ビジネスがしやすい国」にするために、
日本を「“永遠に”世界で一番働きにくい国」にし、日本を「“いつまでも”世界で一番人も技術も育ちにくい国」にする。

そんな労働者派遣法の”改正”案が3月にも、国会に提出されようとしています。



派遣法の重大な変更点を説明します。

【現状】
現在は「イス(業務)」に対して規制がかかっています。

つまり、派遣社員のイスに誰が座ろうが、3年を超えて派遣を続けることはできませんでした。3年を超える場合は、
派遣契約を解消し、企業が直接雇用しなければなりませんでした。

この仕組みは、不利益を被りやすい派遣を「臨時的・一時的」に制限する役目を果たし、派遣のイスを正社員のイスに替わりやすくする仕組みとして不十分ながらも役割をもっていました。


【これから】
“改正”案では、「人」に対してだけ規制がかけられることになります。

派遣社員のイスに同じ「人」が座り続けられるのは3年までになります。
つまり、「イスに座る人」さえ替えれば、企業は何年でも派遣を受け入れ続けることができます。



企業は永続的に派遣社員を使い続けることができるようになる一方、個々の派遣社員は「自動的に3年でクビ」というわけです。

結果、安くていつでもクビにしやすい派遣というイスが企業内で増え続け、
その分、正社員のイスは減っていくことになるでしょう。

ただ、派遣でも安定的に働き続けられる方法が改正案には書かれています。
「派遣元と派遣社員が期限の定めのない契約(無期契約)を結んだ場合」です。

つまり、アナタが、「一生涯派遣のままでかまわない」と言うんだったら、
同じ職場の同じ仕事でずっと働き続けられますよ、ということです。


しかし・・・

派遣会社にとっては、「派遣先から契約が打ち切られて、売り上げが下がること」は困りますが、アナタを派遣できなくなっても別に困りません。代わりに他の派遣社員を派遣すればいいだけですから。派遣会社が、わざわざ、アナタと無期契約をするでしょうか?

派遣先企業が法律を変えてまでしたがらない無期契約を、です。

だから、私たちは今回の“改正”案を
「正社員のイスを減らし、無限に派遣社員のイスを増やす改悪だ」
「自動的に3年でクビになる改悪だ」
と考えています。


安倍首相は、「日本を世界で一番ビジネスがしやすい国にする」と宣言しており、労働者派遣法の改正は、そのための施策として位置づけられています。

同じ仕事をしていても正社員と派遣社員とでは賃金が2倍近くも違います。
安上がりなうえに、いつでもクビにできる派遣社員。派遣社員を自由に活用することができるようになれば確かに、企業の立場からみれば、「日本は世界で一番ビジネスがしやすい国」になるでしょう。


短期的には。


長期的には無理でしょう。

なぜなら、、、


企業が・・・

「3年で終わり」とわかっている労働者に、教育訓練をしますか?
「3年で終わり」とわかっている労働者に配慮した安全な作業工程を整えますか?
「3年で終わり」とわかっている労働者の職場の不満に答える努力をしますか?


労働者は・・・

「3年で終わり」とわかっていて企業に愛社精神を持てますか?
「3年で終わり」とわかっていてその企業のイノベーションを考えられますか?
「3年で終わり」とわかっていて業務に必要なスキルを本気で学ぶでしょうか?



仮に、「3年は必ず働ける」と決まっていれば別の答えがあるかもしれません。
しかし、「3年の間いつでもクビを切られる」状態は変わりません。
今回の“改正”案は、その上で「最高でも3年」としたものです。


以上の理由より、私たちは、単に労働者にとってだけ改悪であるとは思いません。
誠実な企業にとっても、です。

なんとか人を雇い、大切に育て上げようとする誠実な企業は、短期的に大きな利益を上げることはできなくても、日本を長期的に繁栄させる確かな技術を確立し広げてくれるでしょう。

しかし、今回の改正はそのような誠実な企業がかけられる時間を奪います。
短期的に人を雇用し使い捨てにする企業が、短期的に大きな利益を上げて、
誠実な企業を打ち負かすでしょう。

技術も身につけられず、景気を循環させるだけの賃金も持ち得ない派遣社員を大量に雇い、次々と使い捨てる。このような企業のあり方を促進する派遣法改正案は結果として、日本の誠実な企業の生き残りを危うくするのではないでしょうか。

もし、アナタやアナタのパートナーが
首尾良く正社員として採用されたとしても、まわりは派遣社員ばかり。
正社員のアナタに課せられる責任は今よりもっと過重になるでしょう。

何としてでも正社員になりたい、そういう思いを逆手に取って、「ウソの求人票」で条件をよく見せるような「ブラック企業」もはびこるかもしれません。


そうして・・・


日本を「“短期的に”世界で一番ビジネスがしやすい国」にするために、
日本を「“永遠に”世界で一番働きにくい国」にし日本を「“いつまでも”世界で一番人も技術も育ちにくい国」にするでしょう。


そんな労働者派遣法の“大改悪”に私たちは反対します。


※ハッシュタグ「#3年でクビ」で拡散お願いします!!


Letter to:
安倍晋三殿
総理は、「日本を世界で一番ビジネスがしやすい国にする」と宣言し、そのための施策として、労働者派遣法を改正しようとされています。この「改正」には反対です。 厚生労働大臣が諮問した法律案要綱によれば、1. 派遣対象業務の限定は撤廃され、2. 派遣受入期間の制限についても無期雇用派遣については無期限とし、有期雇用派遣についても容易に延長が可能で事実上は無期限にし、労働者派遣は臨時的・一時的なもの限るというこれまでの制度を大きく変えるものとなっています。 このような改正が行われると、派遣労働者は生涯派遣のまま不安定で低賃金な働き方を続けなければならないことになってしまいます。 正社員の求人は激減することになり、就活はいまより一層厳しくなり、ブラック企業が蔓延することにもつながりかねません。 これでは、日本は、「世界で一番ビジネスがしやすい国」になると同時に、「世界で一番働きにくい国」になってしまうのではないでしょうか。 国民の圧倒的大多数は、労働者であり、その家族です。すべての労働者が、安心して働くことができ、家族と共に幸せに暮らしていくことができるような国になってほしいと願います。 つきまして、この改正に反対します。


https://www.change.org/ja/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%B3/3%E5%B9%B4%E3%81%A7%E3%82%AF%E3%83%93-%E5%8A%B4%E5%83%8D%E8%80%85%E6%B4%BE%E9%81%A3%E6%B3%95%E3%81%AE-%E5%A4%A7%E6%94%B9%E6%82%AA-%E3%81%AB%E5%8F%8D%E5%AF%BE%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99?utm_source=action_alert&utm_medium=email&utm_campaign=52525&alert_id=soNiPVHXOc_cADJrKhxsX




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