小林です。
本会の事務局から質問を受けたので紹介したいと思います。

Q. 「相手様へお渡しします手土産で、羊羹が多いようですが、なにか意味があるのでしょうか?」


そうですね…、まず羊羹を知りましょう。

有名処では 虎屋 ですが、ホームページを見てみるとこう書いています。

「羊羹」の「羹」は訓読みで「あつもの」、つまり、とろみのある汁物を指します。中国では「羊羹」は羊の肉を使ったスープのことだったのです。日本には、鎌倉~室町時代に中国に留学した禅僧によって「点心(てんじん)」(食事と食事の間に食べる小食)の一つとしてもたらされました。しかし、禅僧は肉食が禁じられていたため、小豆や小麦粉、葛粉などの植物性の材料を使い、羊肉に見立てた料理がつくられたと考えられています。時代とともに甘みが加わり、蒸羊羹が誕生、江戸時代後期(1800年頃)には、現在の主流である、寒天を用いた煉羊羹がつくられるようになりました。


wikipediaでは羊羹 (ようかん)の歴史は、もともとは中国の料理で、読んで字のごとくの羹(あつもの)、つまりは羊の肉を煮たスープの類であった[4]南北朝時代北魏の捕虜になった毛脩之が「羊羹」を作ったところ太武帝が喜んだという記事が宋書に見えるが、これは本来の意味の羊のスープであったと思われる[5]。冷めることで肉のゼラチンによって固まり、自然に煮凝りの状態となる。「羹」の通常の音(漢音)は「こう(かう)」で、「かん」は唐音[6]。 鎌倉時代から室町時代に、禅僧によって日本に伝えられたが、禅宗では肉食が戒律五戒)により禁じられているため、精進料理として羊肉の代わりに小豆を用いたものが、日本における羊羹の原型になったとされる。

初期の羊羹は、小豆を小麦粉または葛粉と混ぜて作る蒸し羊羹であった。蒸し羊羹からは、芋羊羹ういろうが派生している。また、当時は砂糖が国産できなかったために大変貴重であり、一般的な羊羹の味付けには甘葛などが用いられることが多く、砂糖を用いた羊羹は特に「砂糖羊羹」と称していた。だが、17世紀以後琉球王国奄美群島などで黒砂糖の生産が開始されて薩摩藩によって日本本土に持ち込まれると、砂糖が用いられるのが一般的になり、甘葛を用いる製法は廃れていった。

「煉羊羹」が日本の歴史に登場するのは1589年天正17年)で、山城国伏見九郷の鶴屋の5代目岡本善右衛門が、テングサ(寒天の原料)・粗糖・小豆あんを用いて炊き上げる煉羊羹を開発し豊臣秀吉に献上した。鶴屋は徳川頼宣に従って紀伊国和歌山に移り駿河屋と改名したが、その後も改良を重ね1658年明暦4年)には完成品として市販されている。[8]

江戸時代は煉羊羹全盛時代であり、江戸本郷の藤村羊羹をはじめ、多くの名舗が現われた。一方、初期の製法の羊羹(蒸し羊羹)は、安価な下物(煉羊羹の半値)[9] になり、その一部は丁稚羊羹と称したものもある。また、料理菓子として、煉羊羹を半煉り状にした製法の羊羹もつくられ、後に水分を多くした水羊羹がつくられるようになり、御節料理として、冬の時季に食された。

戦前〜戦中、満州からジャワ(現インドネシア)に至るまで小城羊羹が広く販売され、戦後、村岡総本舗に、晩年の愛新覚羅溥傑氏が訪れ羊羹を購入している[12]。現在の中国でも天津北京で、日本のものと同じような小豆やを使った甘い「羊羹 ヤンカン yánggēng」が製造販売されているほか、中国独特のサンザシリンゴなどを加えたフルーツ風味のものも製造販売されている。韓国では併合期に入ってきたものがそのまま残っており「양갱(yang-gaeng、ヤンゲン)」と呼ばれる。製法や市場は日本とほぼ同じである。台湾でも併合期に広まったものが羊羹(Yangkuang)として残り、現在も流通している。
(以上)


羊羹のあらましを知り、では次は何故虎屋なのか。

IMG_5980


今をさかのぼること約500年前、室町時代の後期に京都の地で創業した和菓子の老舗が「とらや」です。16世紀の終わりごろには、禁裏御用菓子屋として既に御所御用を勤める存在となり、以来、歴代天皇や皇族をはじめとして、徳川将軍家や歴史上に名を刻むあまたの文人たちに愛され、和菓子界のトップブランドであり続けています。
(以上)

と、読めば読むほど深い智識が付きますね。


そしてわたくしが良く利用する虎屋の羊羹には、

① 虎は魔除け (他意に厄除けや守り神、魔を寄せ付けない)
② 羊羹は練り(つまり練れば練る程永く深くお付き合い)
③ 羊羹は重い(つまり相手様への真摯な気持ちの重さ)

と解釈しているので、わたくしが手土産を用意する時は虎屋の羊羹とさせて頂いておる訳でございます。

IMG_5979

但し注意して頂きたい事は、結婚式には不向きとされています。(諸説あり)
何故なら切り分けるからです。つまり暗に離れる、バラす、分離などが意に含まれるので、最初から羊羹を切り分けてくれた商品や小分けされた商品を選ぶ事をお勧めします。

もちろん、相手様へお渡しするモノは定評のあるもの、人気のあるものなど様々ですが、手土産はお心や気遣いがあれば良いでしょう。けれどもそれ以上に、お渡しするモノの歴史や意味を理解していれば、事尚更「真 心 を 込 め て」になるのではないでしょうか。








土産は適当に済ますか、適当に済まさないか。あなたはどちらですか?







FullSizeRender









                                   つづく